社会運動からストーリーテリングまで!多様で自由なカリキュラム設計(2)

   

前回の更新から5ヶ月ほど空けてしまいました。いつも読んでくださっている皆様ありがとうございます。この間、夏休みを利用して、日本を代表するデザインファームであるtakramのロンドンオフィスにてインターンをさせていただいたり、パーソンズ美術大学の2年目の授業がはじまるなど、お伝えしたいことは沢山あったのですが、筆不精のため更新が滞っておりました。

ブログを始めてからありがたいことに、パーソンズやデザインスクールへの留学を検討したいとの問い合わせが、デザイナー、行政官、医学生の方など、様々な方からご連絡をいただき、日本社会において、デザインスクール留学が少しずつ注目をあびてきているのだなと実感しています。更に、今年度から、私の派遣元である経済産業省から同僚がパーソンズの同じ学科に入学しましたので、”公共政策×デザイン”の可能性を共に学び、発信していきたいと思います。

以前、1年目のカリキュラムの内容をご紹介しましたので、今回は、2年目の秋学期(9月〜12月)のカリキュラムご紹介をします。

(ご参考:1年目カリキュラム紹介記事)

2018年秋学期カリキュラム

Intensive2:Orientation

秋学期開始後最初の一週間の集中クラス。1年目の最初にもやりました。昨年は「ブルックリン・ゴワヌス地区の開発と課題」がテーマでしたが、今回は「ニューヨーク路上のゴミ箱のリデザイン」がテーマでした。NYでは、日本と違い路上に多数のゴミ箱が設置されているのですが、分別もなくゴミがあふれ、不衛生な状況です。

ゴミ箱のリデザインといって普通思い浮かぶのは、「分別がしやすいデザイン」とか、「ユーザーが使いやすいデザイン」といったものですが、ゴミ全体の削減のために、「ゴミを捨てづらくするデザイン」「ユーザーに自分が何を捨てようとしているのか意識させるデザイン」と、人間中心ではなく環境中心にデザインする発想のチームが多かったのが印象的でした。

 

Project Studio 3(Design Activism)

昨年度と同様に、学生が3つのプロジェクトにわかれ、それぞれの分野において、サービスデザイン等の手法を用いながら、解決策や問題提起を行うクラス。本学期は、「終末医療」、「社会運動」、「犯罪抑止」の3テーマからの選択。筆者は、社会運動をデザインする(Design Activism)のプロジェクトに入り、筆者は、米国中間選挙があったこともあり、日米の若者の投票率向上をテーマに企画を立ち上げています。 

Professional Communication

デザイナーにとって、新しいコンセプトを生み出し、実現していくスキルは非常に重要ですが、更に生み出したものを、人の心に訴えかけていく「伝える力」も重要です。本授業では、デザイナーの作品集であるポートフォリオの作成を通じて、自身の信念や活動をストーリーとして見せていく手法を習います。組織人であっても、組織固有の技能ではなく、個人としての信念やプロフェッショナリティが重要になってきている中、デザイナー以外にとっても非常に価値のある手法や考え方を紹介している授業だと思います。

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Thesis Preparation

私の学科(Transdisciplinary Design Program)を修了するには、全単位の取得と修士論文の作成が必要となります。今学期と春学期にかけて、自身のプロジェクトを立ち上げて実施し、その過程を論文にします。今学期は、テーマ選定、リサーチ、プロトタイピングを行い、来学期は、プロジェクトの実施と改良、論文作成という流れになります。

私のテーマは現在選定中ですが、Project Studio3での企画を更に深掘りし、日米の若者の政治参加について、デザインによる問題解決図るプロジェクトにしようと考えています。 

選択科目(1〜2科目)

パーソンズの上位機関であるニュースクール大学(以下の記事参照)全体の授業をどれでも1〜2クラス分とれます。私は、デザイナーとしての職務経験がないため、デザインスキルを磨くため、先学期は、Photoshop・Illustratorを用いたグラフィックデザイン、After Effectによるアニメーションデザイン等を主に履修し、そして今学期は、JavaScript、Pythonといったプログラミング学習を履修しています。様々なスキルを学ぶことで、表現や着想の幅を増やすことができつつあると実感しています。

最後に

今回は、筆者が現在履修している強化をおおまかに紹介いたしました。今後、これらの授業の中身を中心に詳細を紹介していきます。

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